
公開日2024.3.14
車の盗難対策。防止方法や狙われやすい車の特徴について解説

車の盗難被害は2003年のピークからこの20年は減少傾向にありますが、最近は新たな手口も発生しているため、注意したいことの一つです。
この記事では車の盗難の現状や狙われやすい車の特徴、防止策について解説します。
安心して車を所有するための実用的な防止策や、実際に盗難被害に遭った場合の対処方法について紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
自動車盗難被害の実態と新たな手口について解説
まずは自動車盗難被害の認知件数や狙われやすい車、最近増えている新たな手口について解説していきます。
自動車盗難被害の認知件数と狙われやすい車とは

警察庁が発表している犯罪統計資料によると、自動車盗難の認知件数はピークである平成15年(2003年)の64,223件から令和4年(2022年)には5,734件にまで減少していますが、いまだに全国各地で車の盗難被害が発生しています。
都道府県別では、特に愛知県・大阪府・千葉県・埼玉県・茨城県での認知件数が多い傾向にあります。
また、盗難被害件数で多いのは、海外でも人気のある高級SUVやミニバン、ハイブリッド車などが挙げられます。
特に、車両価格が高い車種が狙われやすく、トヨタではアルファード、ヴェルファイアや、ランドクルーザーなどが特に被害が多いとされています。
盗難された車は、解体されて中古部品として海外に不正に輸出されていたり、他の車両と合体させて販売・流通されていたりすることもあります。
さらに、自動車本体だけでなくカーナビやナンバープレートが盗まれる被害もあるため、車種や年式に関わらず車の盗難には注意すべきです。
車の盗難に新たな手口も

近年はキーを差し込まなくてもスイッチボタンを押すだけでドアロックを解錠できる「ワイヤレスドアロックシステム」や、タグ状のキーを携帯した状態でドアハンドルを引くとドアを解錠できる「スマートキー」を採用した車が増えています。
最近では、そのスマートキーの仕組みを悪用した手口が増えています。
リレーアタック
1つ目が、「リレーアタック」という手口です。
スマートキーは、常にID情報が乗った微弱の電波を発しており、車に近づかなければ認識されないように作られています。
リレーアタックではスマートキーに近づくことで、スマートキーが出している微弱の電波を特殊な装置を使って増幅させます。
それをリレーのように繋ぎ、悪用することで車とスマートキーが離れていてもエンジンを起動させて盗んでしまう手法です。
リレーアタックの場合は、駐車しているクルマとスマートキーが近い状況(家の玄関や駐車場に近い窓際などにキーがある等)で狙われやすいと言われています。
スマートキーから出ている電波を読み取るため、キーの電波を遮断する金属製のキーケースに入れるなどの対策が効果的です。

CANインベーダー
2つ目に、2020年ごろから急増している「CANインベーダー」という手口があります。
CANインベーダーとは、CAN(Controller Area Network)と呼ばれる車の内部にある電子回路に侵入してドアロックなどを解除し、エンジンを始動させる盗難手口のことです。
スマートキーの電波を使用せず、パソコンをハッキングするように車のシステムに直接侵入することでロックを解除するため、リレーアタックのようにスマートキーからの電波遮断という対策は効果がありません。
タイヤロック、ハンドルロック、シフトレバーのロックなどの物理的な対策に加え、セキュリティシステムを導入するなどの対策が効果的です。
未然に防止!車の盗難対策やおすすめグッズを紹介
次に、車の盗難被害を未然に防ぐための対策について紹介します。
短時間でも車から離れる場合は必ず施錠する

1つ目は「短時間でも車から離れる場合は必ず施錠する」です。
コンビニでちょっとした買い物をするときや、車に荷物を積んでいる際に忘れ物をしたのを思い出して自宅に取りに戻るときなど、「すぐ戻ってくるから大丈夫だろう」と、つい施錠せずに車を離れることはありませんか。
特にカバンなどを窓から見えるところに置いた状態で車から離れると、車上荒らしに遭うリスクも高まります。
たとえ短時間でも車から離れる場合は必ず窓を閉めて、鍵をかけてから離れるようにしましょう。
駐車場は人目につきやすく、明るい場所を選ぶ

2つ目は「駐車場は人目につきやすく、明るい場所を選ぶ」です。
時間帯別の自動車盗難の件数では、特に深夜の時間帯に盗難被害が多くなっています。
そのため、外出先での注意も必要ですが、自宅駐車場もできるだけ対策を施して盗難被害を防ぐべきです。
人目につきやすいところでは盗み取ろうとしているのを誰かに見られる可能性が高まるため、死角になる場所ほど被害に遭う可能性が高まります。
そのため、マンション等に住んでいて駐車場の場所を選べる場合は、見通しがよく明るい場所がおすすめです。
戸建て住宅においては、センサーライトや防犯カメラを設置すると効果的です。
車の盗難対策グッズを活用する

3つ目は「車の盗難対策グッズを活用する」です。
最近は、車の盗難対策のために以下のように、さまざまなグッズが販売されています。
ハンドルロック | 車両のハンドルを物理的にロック。車外からでもロックがかかっているのを目視できるため、盗難抑止効果も期待できる。 |
タイヤロック | タイヤにロック装置を取り付けることで、タイヤを物理的に動けなくする。重く大きいことから持ち運びが困難だが、自宅など長時間駐車するときに適している。 |
車用カバー |
狙われやすい車種には車用カバーがおすすめ。取付自体も簡単で手軽に使え、車種を特定させないことで窃盗される可能性を抑える。 |
ナンバープレート盗難防止ボルト | 専用レンチでなければ外せないボルトに交換することで、ナンバープレートの盗難を防ぐための製品。 |
GPS機能付位置探査装置 | スマホと連動したGPS発信機を車に取り付けることで、スマホアプリから車の現在位置を確認できる。盗まれた後に車両を追跡できるため、被害軽減にもつながる。 |
リレーアタック対策ケース | スマートキーから発信される電波を遮断するケースにスマートキーを保管することでリレーアタックを防ぐための製品。 |
セキュリティシステム | CANインベーダーに対応するセキュリティ機能をアップグレードする商品。 不正信号を遮断する部品を追加することで不正なドア解錠やエンジン始動を抑止する。 |
こうした盗難防止グッズを組み合わせて対策を講じることで、より被害に遭う可能性を抑えられます。
実践可能な防止策から始めて、愛車を盗難から守りましょう!
今回は車の盗難の現状や狙われやすい車の特徴、防止策について紹介しました。
車の盗難は増加傾向にありますが、適切な対策を講じることで盗難リスクを軽減できます。
明日から始められる防止策から、グッズや後付けのシステムを導入することで愛車を守れるものもあるため、今回の内容を参考にして愛車の盗難防止を進めてみてください。