茶箱絵【第5話】
2018.08.27
こんにちは!
ブログ「神奈川 大好き!だって“生まれも育ちも働く場所も神奈川県」のウッチです!
8月もあとわずかなのに、まだ暑い!!秋恋し・・・
ところで「横浜とお茶の関係」の回で、横浜開港当時はお茶の輸出が盛んだった
というお話をしました。
当時、お茶は「茶箱」という湿気に強い木箱に入れられ外国へ輸出されていました。
その茶箱に貼ったラベルの事を「茶箱絵」と言います。
品質・銘柄・商館名が分かるようにするため、また港の作業員が積荷を一目で判断できるようにするために、貿易を行う外国の商人がラベルを必要としたそうです

印刷だとインクの匂いがお茶に移ってしまうため、この茶箱絵には木版画摺りの技術が用いられていました。
それぞれの茶商が工夫をこらし、お茶の味だけでなく、茶箱絵のデザイン性も競っていたようです。
茶箱絵に描かれているアルファベット文字の事を蘭字と言います。
英単語を知らない当時の浮世絵師が見よう見まねで書いたためか、独特な雰囲気があります。

またお茶をその出来によってランク付けしていました。
1等「チョイヲイスチス」
2等「チョイヲス」
3等「フェンチース」
4等「フェン」
5等「クルミリン」
6等「ミリン」
?????
これは茶箱絵を描いていた英語を知らない浮世絵師が、外国人が話す発音をそのまま
聞き取り使っていたようです。
正しくは、
チョイオイスチス → Choicest
チョイヲス → Choice
フェンチース → Finest
フェン → Fine
クルミリン → Good Medium
ミリン → Medium
茶箱絵の中にも、“EXTRA CHOICEST”や“CHOICEST”の文字が描かれています。
他にも
①の“SUNDRIED”は仕上げの段階で再火入れを鉄釜を用いた
④の“PORCELAIN FIRED”は陶磁器で炒って乾燥させた
⑤⑥の“UNCOLORED”は着色なし “MAY PICKINGS”は“5月に摘まれた”
という意味だそうです。
YOKOHAMAの文字もところどころに見えますね!

このようなカラフルでモダンなデザインの絵が描かれた茶箱が、横浜港で行き交う情景を想像するだけで、当時の活気ある姿が思い出されますし、今となっては本当に不思議な感じがします。
残念ながら、茶箱絵は輸出される木箱に貼られていたため、そのほとんどが外国へ渡ってしまいました。日本には現存するものが少ないそうです。
デザイン性の高さから大変評価が高く人気で、外国では現在でも高値で取引されているそうです。
こんなに素敵な茶箱絵、実際に見てみたいと思いませんか?
実はこの希少な茶箱絵を扱った展示会が来年開催されます!!
「時代を彩るグラフィック・デザイン - 蘭字から昭和モダンへ -」
2019年3月16日(土)~5月19日(日)
https://www.suzuyo.co.jp/suzuyo/verkehr/pdf/info2018.pdf
フェルケール博物館
http://www.suzuyo.co.jp/suzuyo/verkehr/index.html
静岡市清水区港町2-8-11
電話 054-352-8060
開館時間 9:30~16:30
休館日 月曜(但し祝祭日・振替休日の場合は開館)
入館料 大人400円・中高生300円・小学生200円※毎週土曜日は小中学生無料
JR清水駅または静鉄新清水駅より、 静鉄バス「フェルケール博物館」下車
駐車場無料駐車場あり(大型バス不可)
茶箱絵の他に、横浜から輸出された生糸ラベルやせっけんのパッケージなども展示されるそうです。
お時間がある方は、その当時のモダンなデザインの世界に浸ってみてはいかがでしょうか?
次回は「お茶の値段のちがい」についてお話させて頂きます。
※ブログアイキャッチ画像、ブログ内の画像 日本茶業中央会 提供
ブログ「神奈川 大好き!だって“生まれも育ちも働く場所も神奈川県」のウッチです!
8月もあとわずかなのに、まだ暑い!!秋恋し・・・
ところで「横浜とお茶の関係」の回で、横浜開港当時はお茶の輸出が盛んだった
というお話をしました。
当時、お茶は「茶箱」という湿気に強い木箱に入れられ外国へ輸出されていました。
その茶箱に貼ったラベルの事を「茶箱絵」と言います。
品質・銘柄・商館名が分かるようにするため、また港の作業員が積荷を一目で判断できるようにするために、貿易を行う外国の商人がラベルを必要としたそうです


印刷だとインクの匂いがお茶に移ってしまうため、この茶箱絵には木版画摺りの技術が用いられていました。
それぞれの茶商が工夫をこらし、お茶の味だけでなく、茶箱絵のデザイン性も競っていたようです。
茶箱絵に描かれているアルファベット文字の事を蘭字と言います。
英単語を知らない当時の浮世絵師が見よう見まねで書いたためか、独特な雰囲気があります。

またお茶をその出来によってランク付けしていました。
1等「チョイヲイスチス」
2等「チョイヲス」
3等「フェンチース」
4等「フェン」
5等「クルミリン」
6等「ミリン」
?????
これは茶箱絵を描いていた英語を知らない浮世絵師が、外国人が話す発音をそのまま
聞き取り使っていたようです。
正しくは、
チョイオイスチス → Choicest
チョイヲス → Choice
フェンチース → Finest
フェン → Fine
クルミリン → Good Medium
ミリン → Medium
茶箱絵の中にも、“EXTRA CHOICEST”や“CHOICEST”の文字が描かれています。
他にも
①の“SUNDRIED”は仕上げの段階で再火入れを鉄釜を用いた
④の“PORCELAIN FIRED”は陶磁器で炒って乾燥させた
⑤⑥の“UNCOLORED”は着色なし “MAY PICKINGS”は“5月に摘まれた”
という意味だそうです。
YOKOHAMAの文字もところどころに見えますね!


このようなカラフルでモダンなデザインの絵が描かれた茶箱が、横浜港で行き交う情景を想像するだけで、当時の活気ある姿が思い出されますし、今となっては本当に不思議な感じがします。
残念ながら、茶箱絵は輸出される木箱に貼られていたため、そのほとんどが外国へ渡ってしまいました。日本には現存するものが少ないそうです。
デザイン性の高さから大変評価が高く人気で、外国では現在でも高値で取引されているそうです。
こんなに素敵な茶箱絵、実際に見てみたいと思いませんか?
実はこの希少な茶箱絵を扱った展示会が来年開催されます!!
「時代を彩るグラフィック・デザイン - 蘭字から昭和モダンへ -」
2019年3月16日(土)~5月19日(日)
https://www.suzuyo.co.jp/suzuyo/verkehr/pdf/info2018.pdf
フェルケール博物館
http://www.suzuyo.co.jp/suzuyo/verkehr/index.html
静岡市清水区港町2-8-11
電話 054-352-8060
開館時間 9:30~16:30
休館日 月曜(但し祝祭日・振替休日の場合は開館)
入館料 大人400円・中高生300円・小学生200円※毎週土曜日は小中学生無料
JR清水駅または静鉄新清水駅より、 静鉄バス「フェルケール博物館」下車
駐車場無料駐車場あり(大型バス不可)
茶箱絵の他に、横浜から輸出された生糸ラベルやせっけんのパッケージなども展示されるそうです。
お時間がある方は、その当時のモダンなデザインの世界に浸ってみてはいかがでしょうか?
次回は「お茶の値段のちがい」についてお話させて頂きます。
※ブログアイキャッチ画像、ブログ内の画像 日本茶業中央会 提供