公開日2024.12.17
中古車のETCは再セットアップしないと使えない?必要なケースや設定方法を紹介

有料道路を走行する際に便利なETC。
ETCの利用には車載器とETCカードが必要ですが、中古車の購入を検討している方の中にはETC車載器付きの車を探しているという方も多いでしょう。
また、今乗っている車に取り付けているETC車載器を、購入した中古車に付け替えたいと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
ETC車載器付きの中古車を購入したり、付け替えたりしたい場合は、再セットアップが必要です。
この記事では、ETCのセットアップとは何か、中古車購入時に再セットアップが必要なケースや、おこなわないことで起こり得る問題について詳しくご紹介します。
ETCのセットアップとは?

ETCとは、車載器と料金所に設置されたアンテナが通信して情報を交換することで、車両情報や走行経路などを判別し、それに合わせて通行料金が自動的に支払われるためスムーズに料金所を通り抜けられる仕組みです。
ETCを利用するには、車載器とETCカードが必要で、利用を開始するにはセットアップと呼ばれる作業が必要です。
セットアップとは車載器に車種区分やナンバー情報などの車両情報を暗号化して登録することをいいます。
車に新たにETC車載器を取り付けるときには、必ずセットアップがおこなわれます。
ETC車載器付きの中古車を購入した場合や、別の車から付け替えた場合は、登録されている情報の更新が必要です。
車載器にETCカードを挿入すればそのまま使えるわけではなく、再セットアップする必要があるのです。
ETC車載器の再セットアップが必要なケースとは?

ETC車載器の再セットアップが必要なケースは、主に3つです。
- ・ナンバープレートに変更があったとき
- ・別の車からETC車載器を付け替えたとき
- ・中古車にけん引装置を設置するとき
ナンバープレートに変更があったとき
ナンバープレートの番号に変更があったときには、ETC車載器の再セットアップが必要です。
中古車のナンバープレートに書かれている番号は、買い替える前の車とは違います。
希望ナンバー制度を利用しても、指定できるのは4桁の数字のみのため、ひらがなや地域などは変更されることが多いでしょう。
そのため、ETC車載器付きの中古車を購入した場合は、基本的に再セットアップをすると考えてください。
中古車の購入後に、希望ナンバー制度を利用して番号を変更する場合や、ナンバープレートに記載されている運輸支局の管轄を超えて引っ越しをした場合も同様です。
なお、住所が変わっても運輸支局の管轄内である場合や、同じ住所で暮らす家族へ車を譲るような場合は、再セットアップの必要はありません。
自動車検査証(車検証)の所有者や、車の使用者情報のみ変更され、ナンバープレートには影響がないためです。
別の車からETC車載器を付け替えたとき
別の車からETC車載器を付け替えたときにも、再セットアップが必要です。
ETC車載器には、車種やナンバープレートの番号など、さまざまな情報が登録されています。
買い替え前後で登録されている情報に違いが表れるため、再セットアップで情報の更新をおこないましょう。
特に、普通車から軽自動車、軽自動車から普通車のように買い替えた場合は、通行料金にも違いが表れます。
再セットアップせずにETC車載器を使ってしまうと、不正通行に該当することがあります。
普通車から普通車、軽自動車から軽自動車のように買い替えた場合でも、再セットアップは忘れずおこなうようにしてください。
中古車にけん引装置を設置するとき
中古車に、新たにけん引装置を設置する場合も、再セットアップが必要です。
例えば、ボートや水上バイクなどをけん引するために、トレーラーを設置するような場合です。
ETC車載器セットアップ申込書には、「けん引装置の有無」という項目があり、けん引装置を備えている場合は、「有」にチェックを入れる必要があります。
けん引装置の設置後に再セットアップを忘れると、料金所で開閉バーが開かず、焦ってしまうかもしれません。
また、車種区分は、1軸トレーラーであれば1つ、2軸トレーラーであれば2つ上がります(トレーラーの車軸間距離が1mを超えない場合は、2軸でも1軸扱い)。
トレーラーによって通行料金に違いが表れ、開閉バーが開いても、通行料金が正しく請求されないことがあるため、注意が必要です。
出典:ETC総合情報ポータルサイト「再セットアップ:こんな時には・再セットアップ」
ETC車載器をそのまま利用すると起こり得る問題とは?

中古車に付属していたETC車載器、あるいは元の車から付け替えたETC車載器は、基本的に再セットアップが必要です。
再セットアップをしなかった場合は、下記のような問題が起こり得ます。
- ・開閉バーが開かない
- ・通行料金が利用者に正しく請求されない
- ・ETC割引をはじめ、各種割引が適用されない
- ・ETC利用照会サービスをはじめ、サービスの一部を利用できない
再セットアップされていないことで、ETC車載器が正しく認識されず、開閉バーが開かないことがあります。
また、開閉バーが開いて通れても、通行料金が利用者に正しく請求されないことが考えられます。
不正通行として扱われないためにも、ETC車載器の再セットアップは確実に済ませておきましょう。
また、高速道路をよく利用する方にとって、ETC割引をはじめとする各種割引や、ETC照会サービスのようなWebサービスは便利です。
これらも、「割引が適用されない」、「Webサービスが利用できない」といったトラブルが考えられるため、早めの再セットアップをおこなうことが大切です。
ETC車載器の再セットアップ、設定方法とは?

ETC車載器の再セットアップは、下記の3ステップで進めることができます。
セットアップしてもらえる店を探す
まずは、ETC車載器のセットアップが可能な店舗として登録されている、「セットアップ店」を探しましょう。
セットアップは、個人情報や金融情報、車両情報や車載器管理番号などが必要なため、高度なセキュリティ処理ができる信頼性や技術が審査されたセットアップ店でのみ可能な仕組みが設けられているのです。
セットアップ店は、カーディーラーや中古車販売店、カー用品店が対応しており、下記から検索することもできます。
ETC総合情報ポータルサイト「セットアップ店検索」
※ご自身が利用するETC車載器のバージョンによっては、「ETC2.0」の対応が可能なセットアップ店をお探しください。
必要なものを用意する
ETC車載器を再セットアップするために、必要なものを揃えましょう。
必要なものは、下記の通りです。
- ・ETC車載器
- ・ETCカード
- ・自動車検査証(車検証)
- ・本人確認書類(運転免許証)
- ・セットアップ申込書
- ・委任状(代理人が申請する場合)
ETC車載器やETCカード、自動車検査証(車検証)などは、車に積んでいるという方が多いでしょう。
また、本人確認書類は運転免許証で問題ありません。
セットアップ申込書はセットアップ店で用意されているため、事前に準備する必要はありません。
ご自身か同居のご家族以外が再セットアップを依頼する場合は委任状が必要です。
出典:ETC総合情報ポータルサイト「セットアップについて:初めて・こんな時ETC」
セットアップ店で手続きをおこなう
必要なものを用意したら、セットアップ店で再セットアップをおこないましょう。
セットアップ申込書に記載して申し込めば、スタッフが設定してくれます。
セットアップ申込書に記載するため、事前に下記の番号を控えておくとスムーズです。
- ・車の自動車登録番号や車両番号
- ・ETC車載器の車載器管理番号や型式登録番号
自動車登録番号や車両番号などの車両情報は、ナンバープレートや自動車検査証に記載されています。
ETC車載器の車載器管理番号や型式登録番号は、ETC車載器本体に貼られたラベルを確認してください。
ただ、ETC車載器が車両に組み込まれているタイプは、ラベルが貼られていても隠れて見えないことがあります。
その場合は無理に外さず、セットアップ店で確認してもらうと良いでしょう。
ETC車載器を付け替える方は、以前使用したセットアップ申込書の控えからも、車載器管理番号や型式登録番号を確認することが可能です。
再セットアップ完了後には証明書が発行されます。
ETC車載器の再セットアップにかかる費用は?

再セットアップにかかる費用は、セットアップ店によって違いが表れますが3,000~5,000円ほどが目安です。
費用の内訳は、手数料と「ITS-TEA(一般財団法人 ITSサービス高度化機構)」に対する情報発行料が含まれています。
ITS-TEAとは、高度道路交通システム「ITS(Intelligent Transport Systems)」を管理している組織です。
ITSは、目的地への道順を示すカーナビや、道路交通情報を届けるVICS、そして高速道路のETC料金所で使用されているセキュリティプラットフォームです。
ITSを利用できるよう再セットアップするには、セットアップ店の利用が不可欠のため、事前に3,000~5,000円ほどを用意しておくと良いでしょう。
出典:ETC総合情報ポータルサイト「ITSについて: ITS-TEA」
ETC車載器に関するよくある質問

ETC車載器に関する、よくある質問について3つご紹介します。
中古車はETC車載器付きが良い?
高速道路をよく利用される方には、ETC車載器付きの中古車がおすすめです。
ただし、ETC車載器付きに絞って探すと、ご自身が欲しい中古車と出会えない可能性があります。
どうしても欲しい車種やグレードなど条件が詳細に決まっている方は、ETC車載器はオプションとして後付けできるため、ETC車載器付きのみに限定せずに探すと良いでしょう。
その際は、フロントガラスが熱線反射ガラスで作られていないかを確認することが大切です。
熱線反射ガラスは電波を通しづらく、ETC車載器を車内に設置することが難しいためです。
熱線反射ガラスであっても、ルームミラー付近のみ電波が通れるように加工されているタイプもあるため、まずは中古車販売店のスタッフに確認すると良いでしょう。
後付けできるオプションについて詳しくは、「中古車にオプションは後付けできない?ディーラーとメーカーの違いから解説」の記事も参考にしてみてください。
再セットアップ方法に違いはある?
セットアップ店では、再セットアップの方法を選べることがあります。
選べる再セットアップ方法は、インターネット上で設定や登録などの作業を進める「オンラインセットアップ」と、手書きの書類を送付して作業を進める「オフラインセットアップ」の2種類です。
データ通信をおこなうオンラインセットアップは、早ければ当日中にでも再セットアップが完了します。
一方、書類が届くのを待つ必要があるオフラインセットアップは、再セットアップ完了までに約1週間待つ必要があります。
車を手放すときにETC車載器の情報は消すべき?
車を手放すときには、ETC車載器の情報を消去する必要はありません。
ETC車載器に登録されている情報に、個人情報は含まれないためです。
セットアップ店では、本人確認や金融情報の登録のために、個人情報を必要とします。
しかし、最終的にETC車載器がセットアップカードから読み取るのは、暗号化されている車種区分やナンバープレートの番号などです。
車やETC車載器の識別に必要な情報のみのため、車を手放すときに、ETC車載器の情報を削除しなくても問題はありません。
まとめ

この記事では、ETC車載器の再セットアップとは何か、おこなわないとどのような問題が起きるか、実際の再セットアップの方法など、詳しくご紹介しました。
新車購入時に取り付けたETC車載器の場合は、セットアップがおこなわれています。
しかし、ETC車載器付きの中古車を購入した、あるいはETC車載器を付け替えたという場合は、再セットアップが必要です。
開閉バーが開かない、意図せず不正通行として扱われる可能性があるなど、再セットアップしないことで問題が起こりえます。
そのため有料道路を利用する方は、セットアップ店で再セットアップをおこないましょう。
なお、セットアップ店として登録された中古車販売店で中古車を購入すれば、中古車の購入後に、別のお店で再セットアップする必要がないため便利です。
トヨタモビリティ神奈川では、ETC付きの中古車を多く取り揃えているほか、再セットアップも可能ですので、ぜひご利用ください。
トヨタモビリティ神奈川が扱う中古車情報は、こちらからご確認頂けます。
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