公開日2025.6.17
中古車は点検整備記録簿が必須?ありなしの違いや、中古車選びのポイントを解説

中古車を購入する際、「点検整備記録簿あり」や「点検整備記録簿なし」といった言葉を耳にすることがあるのではないでしょうか。
点検整備記録簿がある中古車とない中古車では、さまざまな違いがあります。
この記事では、点検整備記録簿とは何かという基本的な部分から、点検整備記録簿がある場合とない場合の違い、それを踏まえた上で中古車を選ぶ際のポイントについてご紹介します。
点検整備記録簿とは?

点検整備記録簿とは、車両点検の結果や整備の内容を記録した書類です。
主に、12ヶ月点検や24ヶ月点検といった法定点検や、車検などの結果や内容を記録するもので、部品の交換歴も記載されています。
略称として「記録簿」や「点検記録簿」などと呼ばれることもあり、別称の「メンテナンスノート」といった言葉が用いられることもあります。
中古車購入の際には、これまでの点検整備の履歴を確認できることから、購入前にチェックしておきたい項目でしょう。
ディーラーで取り扱っている中古車はほとんど点検整備記録簿がありますが、一部の中古車販売店やオークションサイトで取り扱っている中古車は、点検整備記録簿がついていない中古車もあります。
また、点検整備記録簿があったとしても、必ずしも内容を確認できるわけではありません。
点検整備記録簿がありとなしでどう違う?

点検整備記録簿がある中古車は、どのような点検整備を受けてきたかが分かることがメリットです。
点検整備記録簿を見れば、これまで適切な点検整備がおこなわれてきたか、修復歴の有無などが確認できます。
また、エンジンオイルやブレーキパッドなど、消耗部品が定期的に交換されていれば、丁寧に乗られてきたということもわかるでしょう。
一方、点検整備記録簿がない中古車は、点検整備の頻度や内容がわかりません。
所有していた方が紛失してしまったケースや、中古車販売店がプライバシー保護の観点から保存期間を過ぎた点検整備記録簿を破棄したケースなどがあります。
いずれにしても、購入前に点検整備がどのようにおこなわれてきたかがわからない点はデメリットといえるでしょう。
点検整備記録簿がなければ購入は避けるべき?

点検整備記録簿がない中古車は、購入を避けるべきかというと、そうでもありません。
点検整備記録簿がない中古車は、点検整備の頻度や内容などがわかりませんが、納車に備えたメンテナンスがしっかりされていれば、安心して購入できます。
また、中古車販売店で購入する場合、独自の販売店保証が付いていることも多く、購入後に万が一トラブルがあった場合でも安心です。
なお、点検整備記録簿があっても、近年は個人情報を保護するために、内容は口頭でしか確認できない中古車販売店も少なくありません。
そのため、購入する中古車販売店の信頼性を重視して選ぶことが大切です。
トヨタモビリティ神奈川の中古車取扱店舗では、さまざまなメリットが付いたトヨタ認定中古車をお選び頂けます。
トヨタ認定中古車には、骨格部位の損傷によって部位交換や修正・補修などをした修復歴のある車両がないほか、車両の状態を点数と図解で表した車両検査証明書によって、どなたでも車の状態をひと目で判断できるというメリットがあります。
他にも、オイルやワイパーゴムなどの消耗部品は交換済みなどのメリットがあります。
トヨタ認定中古車のメリットについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事からご確認ください。
(※1) ロングラン保証は一部お付けできない車種もございます。詳しくはお近くのトヨタモビリティ神奈川の中古車取扱店舗へおたずねください。
(※2) 消耗部品は、一部交換していない車両もございます。詳しくはお近くのトヨタモビリティ神奈川の中古車取扱店舗へおたずねください。
点検整備記録簿はどこをチェックすべき?

点検整備記録簿がある場合、よく確認したい点があります。
特にチェックすべき箇所は、下記の3つです。
- ・点検整備をおこなった自動車整備工場
- ・交換部品の内容
- ・消耗部品の状態
点検整備をおこなった自動車整備工場
点検整備記録簿がある場合、まず確認したいのが、点検整備をおこなった自動車整備工場です。
自動車整備工場は、大きく分けて指定工場と認証工場、未認証の工場の3つがあります。
そのうち、特定整備(走行安全性に関わる部品の分解整備)がおこなえるのは、地方運輸局長による認証を受けている指定工場と認証工場です。
その中でも指定工場は、整備設備があり、技術や管理組織などの基準を満たしていることから、点検整備から車検までを一括でおこなえるものを指しています。
一方、未認証の工場は、地方運輸局長による認証を受けておらず、特定整備をおこなえません。
指定工場や認証工場であれば、厳しい基準で点検整備がおこなわれており、未認証の工場よりも安心感があるはずです。
そのため、自動車整備工場が、指定工場や認証工場であるかどうかを確認してみてください。
交換部品の内容
点検整備記録簿では、交換部品の内容も詳しく確認しましょう。
点検整備を受けたのであれば、点検整備記録簿には、どの部品を交換したかという履歴も残されています。
交換した部品が消耗部品であれば、その車両には特別な問題はなかったと判断できるでしょう。
しかし、エンジンやトランスミッション(変速機)など、重要部品を交換している場合は、大きなトラブルがあった可能性があります。
消耗部品の状態
点検整備記録簿からは、消耗部品の状態も確認することができます。
特に見ておきたいのは、下記の5つです。
- ・エンジンオイル
- ・タイヤ
- ・ブレーキパッド・ブレーキライニング
- ・冷却水(クーラント液)
- ・ブレーキオイル(ブレーキフルード)
エンジンオイル
エンジンオイルは、潤滑作用や冷却作用など、さまざまな役割を持っています。
定期的に交換が必要で、半年に一度の頻度で交換することで、ガソリンエンジン内のさまざまなパーツが円滑に動きます。
点検整備記録簿では、エンジンオイルが定期的に交換されているかどうかを見てみてください。
エンジンオイルがあまり交換されていないと、ガソリンエンジンも消耗があるかもしれません。
タイヤ
タイヤは、走行安定性を確保するために大切です。
溝があることで路面をしっかり捉えられる他、雨水によって車体が滑るハイドロプレーニング現象を防ぐことができます。
点検整備記録簿を見ると、車検や定期点検などの際に記録されたタイヤの溝残量や、タイヤの交換頻度などが分かります。
頻繁に交換されているようであれば、急発進や急停止、重い荷物を積載しての運転など、消耗が激しい中古車の可能性もあるでしょう。
ブレーキパッド・ブレーキライニング
ブレーキパッドやブレーキライニングは、どちらもブレーキの力をタイヤに伝える役割を持つ消耗部品です。
ディスクブレーキに使われるブレーキパッドも、ドラムブレーキに使われるブレーキライニングも、どちらも摩耗するため、定期的に点検や交換をする必要があります。
点検整備記録簿には、法定点検や車検の際に摩耗具合が記録されるため、現在どの程度の厚みがあり、きちんと交換されてきたかをチェックしてみましょう。
冷却水(クーラント液)
冷却水(クーラント液)は、エンジンの温度を下げる役割を持った消耗部品です。
エンジンの熱を奪った冷却水は、ラジエーターに戻って冷却され、再びエンジンに向かうという流れで循環しています。
点検整備記録簿では、冷却水の交換履歴を見てみてください。
定期的に交換されていなければエンジンに負荷がかかっていたと見られ、逆に高頻度で交換されていれば、冷却水漏れといった不具合を持っている可能性もあります。
ただし、最近は長寿命タイプのものも多く、頻繁に交換する必要がない車もあるため、気になる方はスタッフに確認するようにしましょう。
ブレーキオイル(ブレーキフルード)
ブレーキオイル(ブレーキフルード)は、油圧式ブレーキ作動時に使用するオイルです。
ブレーキオイルは、ブレーキペダルを踏んだ力を油圧によって増幅させ、ブレーキパッドやブレーキライニングに伝える役割を持っています。
ブレーキがしっかり作動するかに関わるため、点検整備記録簿で定期的に交換されているか見てみると良いでしょう。
点検整備記録簿以外の中古車選びのポイントとは?

点検整備記録簿がない、あるいは確認できない中古車を購入する場合は、スタッフによく確認することが大切です。
車種や年式、総走行距離など、ご自身が重視している事柄に加えて、下記の3つを確認してみましょう。
- ・事故車・水没車でない
- ・塩害車・雪害車でない
- ・車内・エンジンルームに不具合がない
事故車・水没車でない
中古車を選ぶ際には、事故車や水没車は避けた方が良いでしょう。
事故車は、骨格部位といった重要部品に歪みが生じていれば、走行安全性に問題が生じることがあります。
また、水没車の場合は、内部の電気回路に異常が生じる可能性があります。
現車確認できる場合は、ボディの外観が均一で、凹みや隙間などの不具合がないかを見てみてください。
塩害車・雪害車でない
中古車を選ぶ際には、塩害や雪害を受けた車でないかも確認しましょう。
塩害車や雪害車には錆が生じ、見た目だけでなく重要部品にも不具合をもたらすことがあります。
スタッフに口頭で確認することはもちろん、目視で確認できる場合は、目立つ場所に錆がないかということを見てみてください。
車内・エンジンルームに不具合がない
現車確認できる場合は、車内やエンジンルームの状態も見せてもらうと良いでしょう。
特に確認しておきたいのが、車内のニオイや、エンジンルームの汚れなどです。
車内はご自身や家族が乗るため、不快なニオイが残されていないか確認してみてください。
エンジンルームで特に確認したいのは、エンジンオイルや冷却水です。
垂れたり滲んだりしていないか、エンジンオイルが極端に汚れていないかという部分を重点的に見てみてください。
まとめ

この記事では、点検整備記録簿の概要から、点検整備記録簿がある中古車とない中古車の違い、中古車選びのポイントなどまで詳しくご紹介しました。
点検整備記録簿は、あれば点検整備の頻度や内容などがある程度わかるため、中古車を購入する際には参考にしてみましょう。
点検整備記録簿がない中古車を購入する場合は、点検整備の履歴が確認できないことから、納車に備えたメンテナンスがしっかりおこなわれている中古車販売店を選ぶと安心です。
ディーラー系列の中古車販売店のように、しっかりした点検整備がおこなわれていることが期待できる中古車販売店を選んでみてください。
トヨタモビリティ神奈川が扱う中古車情報は、こちらからご確認頂けます。
中古車情報をチェックする
※在庫車の状況は日々変動します。予めご了承ください。
また、お近くの店舗にご希望の中古車がない場合でも、店舗間の在庫移動による取り寄せが可能です。
店舗間の在庫移動による取り寄せをご希望の方は、お気軽にご相談ください。
近くの中古車取扱店舗を探す