
公開日2025.6.16
雨の日の運転ガイド!注意すべきポイントと安全運転への取り組み

雨の日は視界も悪く運転しにくいと感じている方も多いでしょう。
特に梅雨のシーズンやゲリラ豪雨などが多い時期は、運転を不安に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は雨が運転に与える影響とその対策や安全運転のコツを解説します。
雨天時のリスク
雨の日は晴れの日に比べて事故のリスクが高まります。
実際にどのようなリスクがあるのかを解説します。
視界の悪化

雨が降ると、フロントガラスが曇ったり、ワイパーで雨を拭いても視界が悪くなったりします。
また、ヘッドライトやテールランプの光が路面やフロントガラスに反射しやすく、夕方や夜間の運転ではいつも以上に対向車のライトが眩しく感じられ、注意力が鈍りやすくなります。
路面の滑りやすさ
雨に濡れた路面は、晴れの日の乾いた路面と比べて滑りやすくなります。
特に、雨の降り始めは路面のホコリや油分が浮き出て滑りやすくなり、ブレーキの効きが悪くなるだけでなく、ハンドル操作にも影響を及ぼします。
特に、横断歩道や停止線などのペイント部分や、マンホールなどの金属部分は他の路面に比べて滑りやすく、スリップを引き起こしやすいポイントのため注意が必要です。
ハイドロプレーニング現象

スピードが出た状態で水たまりを走行すると、タイヤと路面との間に水の膜ができ、ハンドルやブレーキなどが制御できなくなる現象がハイドロプレーニング現象です。
ハイドロプレーニング現象は、特に高速道路で起きやすい傾向があります。
雨天時はもちろん、雨天後の水たまりがある道路でも起こりやすく、この状態になると車をコントロールできないため非常に危険です。
雨天時の安全運転のコツ
雨の日に安全運転を行うため、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
ここからは雨天時の安全運転のコツを解説します。
スピードを落として走行する
雨の日の運転で最も注意すべきことは、スピードを抑えることです。
路面が濡れていると、ブレーキが作動してから停止するまでの距離(制動距離)が長くなります。
晴天時よりスピードを落として走行することを心がけましょう。
カーブもスピードを出した状態で進入すると、雨の日は横滑りする危険が増すため、注意が必要です。
車間距離を広めにとる

雨の日には前方車両との車間距離を普段以上に確保しましょう。
先述したようにブレーキをしてから停止するまでの距離が長くなるため、十分な車間距離を保って運転するようにしましょう。
また、視界が悪いことでいつもより判断が遅れたり、他車の急停止などによるブレーキに対応できる余裕をもつためにも、晴天時の2倍以上を意識して距離をとることが大切です。
急ブレーキ・急ハンドルを避ける
濡れた路面では、急な操作がスリップやハイドロプレーニング現象の原因になります。
カーブではとくに穏やかにハンドルを切るように心がけてください。
ブレーキはポンピング気味に、緩やかに踏みましょう。
視界を確保するためにできること
雨天時の運転で一番怖いと感じることは、視界の悪さです。
ここからは、雨天時でも安全な視界を確保するための工夫を紹介します。
ワイパーの点検
ワイパーゴムが劣化していると、視界確保に大きく影響します。
拭きムラやビビリ音が出ている場合には早めに交換しましょう。
梅雨や台風シーズンの前に必ずチェックする習慣をつけておくと安心です。
ガラスの曇り防止
雨の日は車内の湿気で窓が曇りやすくなるため、デフロスターを積極的に活用しましょう。
エアコンの除湿モードを併用することでより早く曇りを解消できます。
車内の湿度が上がったり、外との気温差が大きくなったりすると曇りやすいため、車内に多くの人が乗っている場合などは特に活用すると良いでしょう。
また、ガラス面が汚れていると曇りやすいといわれているため、日頃から車内側のガラスをクロスで磨いておくと良いでしょう。
ライトの早め点灯

雨の日は日中でも周囲が暗く感じられ、自車の存在が他のドライバーに伝わりにくくなります。
ライトは自分がよく見えるようにするためだけでなく、周囲に存在を知らせるためにも必要です。
雨が降り始め、薄暗さを感じたら早めにライトを点灯しましょう。
ガラスコーティング施工
フロント・リヤガラスにコーティングを施工することで、撥水効果が高まり雨の日でもすっきりと見やすい視界をサポートします。
ワイパーを作動させても見えにくいような雨量の日や、対向車からの浴びせ水などでも水滴が滑るように落ちるため、視界が途切れにくいというメリットがあります。
新車の購入時などにディーラーで施工してもらうもののほかに、ご自身で手軽におこなえるものもあります。
フロント・リヤガラスのほかに、サイドミラーに施工できるコーティングもあります。
価格や持続時間なども様々なため、ご自身の使い方やお乗りの車種に合わせて選ぶと良いでしょう。
雨の日に特に注意すべき場所と対処法
雨天時の運転ではとくに注意すべき場所があります。
特別な場所ではなく、いつも走行している場所でも雨の日には危険が高まることを知り、安全に走行してください。
水たまりを避ける
水たまりはなるべく避けて走行しましょう。
特に、交通量が多い場所やわだちができている道路は水が溜まりやすいため、走行する際には注意が必要です。
特に、水や泥をはねて歩行者にかけてしまう「泥はね運転」をしてしまうことは、単なるマナー違反ではなく、道路交通法違反にも当てはまります。
違反してしまうと普通自動車の場合6,000円の罰則金が課せられるため十分に注意しましょう。
やむを得ず水たまりを走行する場合にはスピードをしっかり落として慎重に通過してください。
橋やトンネルの出入り口に注意する
橋やトンネルの出入り口付近は風が強く、雨の影響を受けやすい場所です。
また、急な視界変化が起こることもあり、不意の操作ミスに繋がることもあります。
速度を落として、注意深く走行しましょう。
横断歩道や交差点での減速

雨の日には視界の悪化により、歩行者や自転車の発見が遅れることがあります。
信号のない交差点や横断歩道では、普段より手前から減速し、万が一に備える運転を心がけてください。
また、歩行者や自転車に乗っている方の視界も悪くなっているため、気づいてもらいにくいことで急な飛び出しがあるかもしれません。
事故防止のためにも、雨天時はいつも以上に「かもしれない運転」をおこなうことが大切です。
運転前にチェックすべきことと心構え
雨の日には焦らず、無理せず、慎重すぎるぐらいがちょうどいいという意識が必要です。
ここからは出発前に確認すべきことを解説します。
タイヤの残り溝と空気圧

雨の日の運転では、出発前の点検と準備が事故防止に直結します。
まず、重要なのがタイヤの状態です。
タイヤに十分な溝がないと排水機能が低下し、スリップやハイドロプレーニングのリスクが高まります。
また空気圧も適正値を下回ると制動距離が伸びやすくなるため、定期的に点検をおこない、特に出発前にはチェックしておくと安心です。
不安を感じる方は、雨に強いタイプのタイヤを選ぶのもおすすめです。
ワイパーの状態とウォッシャー液の残量
良好な視界を確保するため、ワイパーも定期的にチェックしましょう。
ワイパーゴムが劣化しているようなら交換が必要です。
また、出発前にはウォッシャー液の残量も確認しておくと安心です。
雨の日には前を走る車が巻き上げる水しぶきでフロントガラスが汚れやすくなります。
雨で浮き出た路面の油分が跳ね上がり、フロントガラスが曇ることもあります。
このような原因で汚れたガラスは日中でも視認性の低下を招き、夜間では対向車のライトや街灯を乱反射させる原因となるため注意が必要です。
ウォッシャー液でしっかりと洗い流すことで安全な視界を確保しましょう。
ライト、ブレーキランプなどの点灯確認
視界が限られる雨天時において、ランプを使って歩行者や自転車、他のドライバーに自車の存在を知らせることはとても重要です。
ライトやブレーキランプなどの灯火類は命綱ともいえます。
事前に点灯確認を行い、日中でもライトを点灯することで事故のリスクを大きく下げられます。
目的地までのルートと渋滞、天候情報の確認

雨の日の安全運転のためには、ドライバー自身の心構えも大切です。
天候による遅延を見越して、時間に余裕をもって出発することで、焦りや無理な運転を避けられます。
また、目的地までのルートや交通情報を事前に把握し、なるべく混雑や冠水の可能性が少ない道を選ぶようにしましょう。
事前の準備と心構えで雨の日の事故を防ごう
今回は雨の日に運転するときの注意点と対策を解説しました。
点検や事前準備などの対策をとりながら、雨の日も快適にドライブしてください。