公開日2024.2.22
4WD車とはどんな車?4WDの基礎からおすすめの中古車までご紹介
中古車の購入を検討している方の中には、4WD車に興味を持っている方も多いでしょう。
本格的なオフロード車に採用されることが多い4WDですが、街乗りに適した車種にも採用されていることがあります。
そのため、アウトドアが趣味な方はもちろん、街乗りがメインの方にも4WD車はおすすめです。
中古車は新車では取扱いが終了したグレードも購入でき、選択肢が多いことから4WDの種類についても詳しく知っておくと車選びの際に役立ちます。
この記事では、4WD車と2WD車の違いや4WDの種類、4WD車がおすすめの方や、おすすめの4WD車まで詳しくご紹介します。
4WD車とは?2WD車との違い
自家用車の主流は、4WD車と2WD車の2つです。
「6WD車(六輪駆動)」や「8WD(八輪駆動)」などもありますが、これらは軍用車や特殊車両などの特殊な用途の車に使われるため、自家用車では目にしないでしょう。
通勤や買物、趣味などに使うのであれば、4WD車か2WD車から選ぶことになります。
4WD車とは
4WDは「四輪駆動」のことで、「Four wheel drive」の略称です。
「四輪駆動」とは、前後4つのタイヤそれぞれにエンジンの力が伝わって駆動することを指しています。
4WD車は複雑な機構を備えており、全てのタイヤに力が加わるため、悪路走破性に優れているのが特徴です。
運転するうえで、凹凸がある道や砂利道、雪道、カーブや坂道など、一部のタイヤに負担がかかったり、タイヤへの負担が分散してしまったりする走行シーンは多くあります。
4WD車であれば、しっかりと路面を捉えてくれるため、悪路でも安定して走行することが可能です。
2WD車とは
2WD車とは、二輪駆動の車を指します。
2WDは「二輪駆動」のことであり、「Two wheel drive」を略した呼び方です。
そして「二輪駆動」は、前後どちらかのタイヤ2つにエンジンの力が伝わって走る駆動方式です。
4WD車と比べると、内部機構がシンプルなのが特徴です。
パーツが少ないため費用を抑えやすい、車体重量が軽いため燃費が良いなどのメリットがあります。
なお、2WD車は、エンジン位置と、駆動するタイヤの位置によって細かい区分があります。
例えば、車の前側にエンジンがあり、前輪2つのタイヤが駆動するのであれば「FF(Front engine front drive)」と呼ぶのが一般的です。
車の前側にエンジンがあっても、後輪2つのタイヤが駆動するのであれば、「FR(Front engine rear drive)」のように呼び分けます。
4WDの種類はどのようなものがある?
4WDと一口にいっても、その種類は多くあり、それぞれ特徴に違いが表れます。
ここでは、4WDの種類について見ていきましょう。
- ●フルタイム4WD
- ●パートタイム4WD
- ●Vフレックスフルタイム4WD
- ●i-Four(電子制御フルタイム4WD)
- ●E-Four(電気式4WD)/E-Four Advanced(電気式4WD)
- ●アクティブトルクコントロール4WD
- ●ダイナミックトルクコントロール4WD
- ●アクティブトルクスプリット4WD(GR-FOUR)
- ●ダイナミックトルクベクタリングAWD
フルタイム4WD
フルタイム4WDは、常に4WDの状態で走行する駆動方式です。
どのような路面状態であっても、常に路面をしっかり捉えて走行が可能です。
なお、フルタイム4WDには、「センターデフ」が搭載されています。
「センターデフ」は、カーブのような場所で生じる、前後のタイヤの回転差を調整してくれます。
それにより、ハンドルを大きく切ったときにブレーキがかかったような状態を引き起こす、「タイトコーナーブレーキング現象」を防ぐことが可能です。
パートタイム4WD
パートタイム4WDは、2WDと4WDの切り替えが可能な駆動方式です。
通常時は2WDで走行し、悪路や雪道などの滑りやすい路面では、トランスファースイッチでトランスレバーなどを操作することで4WDへと切り替えることができます。
フルタイム4WDと違い、「センターデフ」による回転数の調整はしないため、乾いた路面でのカーブでは、2WDで走行する必要があります。
Vフレックスフルタイム4WD
Vフレックスフルタイム4WDは、走行シーンにあわせてトルク配分が切り替わる駆動方式です。
直線走行などの通常走行時はFF(前輪駆動)に近い状態で走行し、悪路や雪道など前輪と後輪に回転差が生じた場合には4WDへと切り替わります。
「センターデフ」の代わりに「ビスカスカップリング」と呼ばれる前輪後輪の回転差を吸収する装置を使用しており、4WDシステムの小型軽量化や燃費向上を実現しています。
i-Four(電子制御フルタイム4WD)
i-Four(電子制御フルタイム4WD)は、トルク配分を自動調整してくれるフルタイム4WDです。
一般的に、フルタイム4WDはどのタイヤにもかかるトルクが変わりません。
i-Four(電子制御フルタイム4WD)の場合は、トルク配分を前輪40 : 後輪60をベースに、走行状況に応じて自動的に変動させます。
路面状況に適したトルク配分に変更することにより、走行の安定性と快適性が増しています。
E-Four(電気式4WD)/E-Four Advanced(電気式4WD)
E-Four(電気式4WD)あるいはE-Four Advanced(電気式4WD)は、FFと4WDを自動で変動させる駆動方式です。
トヨタのハイブリッド車とプラグインハイブリッド車に採用されており、前輪はフロントモーターとエンジンが動かし、後輪はリヤモーターが動かします。
通常時は前輪駆動(FF)の状態で走行し、加速時や雪道のような悪路では、自動的に4WDに切り替えをおこなうことで、スムーズな発進や安定走行をサポートしてくれます。
アクティブトルクコントロール4WD
アクティブトルクコントロール4WDは、前輪駆動(FF)と4WDが自動で切り替わる4WDシステムです。
通常走行時には前輪駆動(FF)に近い状態で走行しますが、発進時や加速時、コーナリングの際などには4WDに切り替わり、最適なトルクを四輪に配分します。
通常走行時には前輪駆動(FF)に近い状態で走るため、燃費性能が向上します。
また、必要なときには4WDの走行性能を発揮できるため、2WDと4WDを良いところ取りをしたい方に向いています。
ダイナミックトルクコントロール4WD
ダイナミックトルクコントロール4WDは、電子制御で前輪駆動(FF)と四輪駆動を自動で切り替える4WDシステムです。
E-Four(電気式4WD)のように、通常時は前輪駆動(FF)の状態で走行し、路面状況に応じて4WD に切り替わり走行をおこなう特徴があります。
運転者の意図する運転を予測して切り替えをおこなう点では、アクティブトルクコントロール4WDを進化させた4WDシステムといえるでしょう。
E-Four(電気式4WD)と違いが表れる点は、ガソリン車に採用されている点と、i-Four(電子制御フルタイム4WD)のようにトルク配分も自動で変動される点などが挙げられます。
アクティブトルクスプリット4WD(GR-FOUR)
アクティブトルクスプリット4WD (GR-FOUR)は、GR-カローラやGR-ヤリスなどに搭載されているGR専用の4WDシステムです。
モータースポーツ用に開発された4WDシステムのノウハウが詰め込まれており、電子制御により、前後輪へトルクを適切に配分します。
3種のモードに切り替えが可能で、安定した発進や軽快な加速、高い旋回性能、走行安定性を実現します。
ダイナミックトルクベクタリングAWD
ダイナミックトルクベクタリングAWDは、「トルクベクタリング機構」と「ディスコネクト機構」、2つの機構が備わった4WDシステムです。
「トルクベクタリング機構」は、左右の後輪にかかるトルクを走行状況に応じて自動的に分配する機構です。
「ディスコネクト機構」とは、4WD走行の要不要を判断します。
不要な場合は後輪へガソリンエンジンの力が伝わらないよう動力伝達を切断するため、2WDに切り替えることが可能です。
これら2つの機構により、走行安定性を高め、燃費の良さをサポートします。
4WD車はどんな方におすすめ?
悪路走破性の高い4WD車には、さまざまなメリットがあります。
ここでは、4WD車のメリットを踏まえ、どのような方におすすめなのかをご紹介します。
- ・山道を走る機会が多い方
- ・坂道の多いエリアにお住まいの方
- ・普段運転するエリアが冬期に凍結する方
- ・直進やカーブなど道路の状態を問わず安定して走行したい方
- ・俊敏さと安定性能を両立したスポーティな走りを楽しみたい方
- ・思った通りのハンドル操作で運転がしたい方
山道を走る機会が多い方
高い悪路走破性を備えている4WD車は、山道のような舗装されていないオフロードを走る機会が多い方に向いています。
SUVのようなボディタイプの4WD車であれば、一層オフロードの走行に向いているといえるでしょう。
SUVはパワーがあり、シート位置が高いため、視界が確保しやすいなどの特徴があり、アウトドアをしたい方におすすめの車種です。
坂道の多いエリアにお住まいの方
4WD車は登坂能力が高いため、坂道の多いエリアに住んでいる方におすすめです。
坂道では、勾配にもよりますが、前輪と後輪いずれかに負担がかかっています。
そのため、2WD車であれば、FFが良い、FRが良いなど、向いているケースが分かれます。
全てのタイヤにガソリンエンジンの力が伝わる4WD車は、坂道の勾配を問わず、安定して走ることが可能です。
4WD車の持つ高い悪路走破性は、舗装されたオンロードでも発揮されるため、坂道の多いエリアに住んでいる方にもおすすめです。
普段運転するエリアが冬期に凍結する方
東北地方や北海道など、冬期に凍結してしまうエリアにお住まいの方にも、4WD車は向いているといえるでしょう。
凍結した道では、タイヤが滑りやすく、事故の可能性が高まってしまいます。
しかし、4WD車であれば、全てのタイヤにエンジンの力が加わっているためグリップ力が高く、走行を安定させることが可能です。
直進やカーブなど道路の状態を問わず安定して走行したい方
道路の状態に左右されにくい4WD車は、直進やカーブなど道路の状態を問わず安定して走行したい方に向いています。
舗装されているオンロードを直進するときであれば、多くの車が安定した走行を見せてくれるでしょう。
しかし、カーブでは、遠心力で外側の車輪に負担がかかります。
そのため、直進とカーブでは、わずかに走行の安定性に差が生まれてしまいます。
4WD車であれば、前後どちらのタイヤにもエンジンの力がかかるため、直進やカーブを問わず、安定した走行が可能です。
俊敏さと安定性能を両立したスポーティな走りを楽しみたい方
4WD車は、俊敏さと安定性能を車に求めている方に向いています。
4WD車は、エンジンの力が大きい車も珍しくありません。
前後輪にその力が加わり、スムーズな発進や加速、安定性を発揮します。
自由自在で安定したスポーティな走りは、運転をより楽しいものにしてくれるでしょう。
発進・加速で不自由を感じたくない方や、高速道路のような場所の走行が多く安定した走りを求めている方におすすめです。
思った通りのハンドル操作で運転がしたい方
4WD車は、思った通りの運転をおこないたい方に向いた車といえます。
4WDは、全てのタイヤへエンジンの力がダイレクトに伝わるため、ハンドル操作と実際の走りに誤差がほとんど感じられません。
ご自身が思った通りに動いてくれる車は、走る楽しみをより実感させてくれます。
ドライブが好きな方にとっても、4WD車はぜひ検討したい車といえるでしょう。
おすすめの4WD車の中古車
4WD車には、SUVやミニバン、セダンなどがあります。
ここでは、おすすめの4WD車の中古車を、6つご紹介します。
- ●ハリアー
- ●ランドクルーザー
- ●ノア
- ●アルファード
- ●プリウス
- ●カローラ
ハリアー
ハリアーは、1997年12月に登場した、高級感のあるSUVです。
高級SUVの代表的な車種で、スタイリッシュでラグジュアリーさが漂う外装が特徴的です。
SUVとして山道のような悪路も走れますが、都会派クロスオーバーSUVといわれるハリアーは、都市をメインに走る方に向いた車種といえるでしょう。
年式にもよりますが、ハイブリッド車にE-Four(電気式4WDシステム)、ガソリン車にダイナミックトルクコントロール4WDを搭載したラインナップがあります。
ストレスのない軽快な走りで都市内を走りたい方には、ハリアーの中古車がおすすめです。
ハリアーの中古車情報
ハリアーの魅力については、下記のコラムもぜひ参考にしてください。
中古車でも大人気!トヨタ・ハリアーの魅力をモデル別にご紹介|トヨタモビリティ神奈川
ランドクルーザー
ランドクルーザーは、1951年8月に登場して以降、世界中で愛されている大型SUVです。
「どこへでも行き、生きて帰って来られるクルマ」や「世界中のどんな道でも疲れない走り」などのキャッチコピーで知られており、高い悪路走破性と耐久性を備えています。
初代から1998年9月までのモデルにはパートタイム4WDもありますが、以降のランドクルーザーの駆動方式はフルタイム4WDで統一されています。
アウトドアのような趣味に積極的に出かけたい方には、ランドクルーザーの中古車がおすすめです。
ランドクルーザーの中古車情報
ランドクルーザープラドについては、下記のコラムもぜひ参考にしてください。
SUV中古車の中でも特に人気?ランドクルーザープラドの魅力に迫る|トヨタモビリティ神奈川
ノア
ノアは、2001年11月に登場したミニバンです。
ライトエースノア、タウンエースノアの後継モデルとして生まれました。
兄弟車にはヴォクシーがあり、ミニバンらしい王道デザインのノア、クールな印象のヴォクシーと、主にデザイン面で違いが表れます。
ノアは、FFとフルタイム4WDが主な駆動方式で、2022年1月モデルからは、ハイブリッド車にE-Four(電気式4WDシステム)を搭載したラインナップが加わっています。
車内は広くアウトドアシーンに向いていますが、乗り降りしやすい、燃費が良いなどの特徴から、ファミリー層にも人気の車種です。
趣味に使うミニバンや普段使いに向いたミニバンを探しているのであれば、ノアの中古車がおすすめです。
ノアの中古車情報
アルファード
アルファードは、2002年5月に登場した高級ミニバンです。
ラグジュアリーな印象と上質さが感じられる内外装で、高い人気を誇ります。
兄弟車にはヴェルファイアがあり、上品さをコンセプトに据えたアルファード、アグレッシブさと存在感を備えたヴェルファイアと、主にデザイン面に違いが表れます。
アルファードの駆動方式は、FFとフルタイム4WDが主です。
また、2011年11月モデルからは、ハイブリッド車にE-Four(電気式4WDシステム)を搭載したラインナップが存在しています。
アルファードは走行性能も高く、乗り心地の面でも優れており、都市内を快適に走れるミニバンを探している方におすすめです。
アルファードの中古車情報
プリウス
プリウスは、1997年12月に登場したセダンです。 ハイブリッドシステムを搭載した世界初の量産車として、世界に先駆けて実用化されました。
先進的な車であることだけでなく、燃費性能や環境性能に優れていることや、静粛性や耐久性が高いことなど、注目したい点が多くあります。
初代モデルから2代目モデルまでは2WD車のみですが、3代目に当たる2015年 12月モデルからは、E-Four(電気式4WDシステム)を搭載したハイブリッド車がラインナップに加わりました。
先進的で、総合的に優れたハイブリッド車のセダンを求めている方には、プリウスの中古車がおすすめです。
カローラの中古車情報
プリウスのモデル別スペックについては、下記のコラムもぜひ参考にしてください。
中古車購入時の参考に!プリウスのモデル別スペックまとめ|トヨタモビリティ神奈川
カローラ
カローラは、1966年11月に登場したセダンです。
1961年6月に発売したパブリカから得た学びを活かし、多くのニーズに応えたことで、成功を収めました。
現在も、時代要請を先取りしたクルマづくりをおこなっており、世界各国で多くの方に支持されています。
カローラの駆動方式は、2014年8月モデルまではFFが主ですが、2019年10月モデルからはハイブリッド車にE-Four(電気式4WDシステム)を搭載したラインナップが加わっています。
カローラのボディサイズはセダンの中でもコンパクトな傾向があり、最小回転半径も小さいです。
狭い道でもスムーズに走れるセダンを探している方には、カローラの中古車がおすすめです。
カローラの中古車情報
まとめ
この記事では、4WDと2WDの違いや、4WDの種類、4WD車がおすすめの方や、おすすめの4WD車について、詳しくご紹介しました。
4WD車は、前後のタイヤ全てにエンジンの力が加わるため、路面がどのような状態でもしっかり捉えやすいという大きなメリットがあります。
オフロードはもちろん、カーブや坂道など、多くの道で力を発揮してくれるでしょう。
悪路走破性や都市内での走行安定性などを求めている方は、ぜひ4WD車の中古車から検討してみてください。
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