公開日2024.6.14
環境性能割とは?中古車購入にかかる環境性能割の基本や税率を詳しく

中古車を購入する際、気になる税金の一つに、環境性能割が挙げられます。
環境性能割とは、車の購入時にかかる税金の一つです。
中古車にかかる税金には、購入時に支払う消費税、毎年一度支払う自動車税種別割、新規登録時と車検時に支払う自動車重量税など、さまざまなものがあります。
この記事では、中古車購入時に気になる環境性能割の基本的なことから税額の計算方法までを詳しく解説していきます。
環境性能割とは?
まず、環境性能割とはどのような税制度なのか、その特徴を確認していきましょう。
車を購入した際に課される税金
環境性能割は、自動車の燃費性能等に応じて、車を購入したときに課税される地方税です。
新車や中古車、個人・法人に関わらず、購入時の車の金額が50万円を超える場合に課税されます。
エコカー減税やグリーン化特例のように、条件を満たした場合にのみ、支払う税金の負担が抑えられるという特徴を持っています。
正式名称は、普通自動車であれば「自動車税環境性能割」、軽自動車であれば「軽自動車税環境性能割」です。
自動車税環境性能割は都道府県に納め、軽自動車税環境性能割は都道府県が賦課徴収をおこなうものの、市区町村に納めるという点に違いが表れます。
参考:総務省「地方税制度|自動車税・軽自動車税環境性能割」
自動車税については、こちらの記事も参考にしてみてください。
中古車の購入時にかかる自動車税を徹底解説!新車との違いはある?
自動車取得税の代わりに導入された制度
環境性能割は、2019年10月1日から自動車取得税に代わって導入された制度です。
どちらも車の取得時にかかる税金ですが、自動車取得税の税率は、登録車3%、軽自動車2%と固定されていたのに対し、環境性能割は、燃費性能や排出ガス性能など、環境性能に応じて税額が軽減されるという違いがあります。
環境性能割の税率は、環境性能に応じて登録車0~3%、軽自動車0~2%に変動します。
消費税率が8%から10%へ変わるタイミングで導入された環境性能割は、環境性能に優れている車ほど税金を抑えられる税制といえるでしょう。
参考:総務省「地方税制度|2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります」
優れた環境性能を持った車は負担軽減
環境性能割は、環境性能が優れた車を購入した場合に、税負担を軽減できます。
通常の税率は登録車3%、軽自動車2%ですが、環境性能次第では非課税にすることも可能です。
場合によっては購入費用を数万円ほど抑えることができるでしょう。
ただ、税負担を軽減するには、定められた基準を達成する必要があります。
ガソリン車も基準を満たせば減税の対象ですが、基準を達成しやすいのは、電気自動車やプラグインハイブリッド車、ハイブリッド車、クリーンディーゼル車などのエコカーです。
環境性能割で税負担の軽減を考えている方は、どのエンジンタイプにも注目した方が良いといえます。
2023年以降は段階的な引き上げに注意
環境性能割で減税を受けつつ中古車を購入したい方は、適用基準の段階的な引き上げに注意してください。
環境性能割の適用基準は段階的に引き上げられており、減税される条件が徐々に厳しく変更されています。
例えば、2021年4月~2023年12月末に購入した登録車は、2030年度燃費基準を60~70%達成していれば、通常3%の税率から軽減税率が適用されて2%でした。
しかし、2024年1月~2025年3月末に購入した登録車は、2030年度燃費基準を70~75%達成していなければ、軽減税率の2%が適用されません。
2025年5月以降は、適用基準はさらに引き上げられることが予定されています。
中古車を購入する予定がある方は、気になる中古車が2030年度燃費基準をどれだけ達成しているかよく確認し、早めに購入するのがおすすめです。
参考:環境省「令和5年度 環境省税制改正要望結果の概要」
環境性能割の計算方法とは

中古車の購入時に、環境性能割がどれほどかかるのかを計算しましょう。
環境性能の計算には「税率」と「取得価額」が必要です。
ここからは、「税率」と「取得価額」の求め方と、環境性能割の計算方法を解説します。
環境性能割の税率
まず確認したいのは、環境性能割の税率です。
2020年度燃費基準達成以上および下記排出ガス基準達成が条件で、どれほど達成されているかで、税率が変わります。
段階的に引き上げられますが、2024年1月1日~2025年3月31日までは、下記が税率とされています。
2024年1月1日~2025年3月31日までの適用基準 (※1)
対象車 | 2030年度燃費基準 (※2) |
乗用車 | 軽自動車 |
BEV、PHEV、FCEV (電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車、天然ガス自動車など) |
― | 非課税 | 非課税 |
ハイブリッド車・ガソリン車・クリーンディーゼル車(※3) | 85%以上達成 | 非課税 | 非課税 |
80%達成 | 1%課税(営業車は免税) | 非課税 | |
70%達成 | 2%課税(営業車は0.5%課税) | 1%課税(営業車は0.5%課税) | |
60%達成 | 3%課税(営業車は1%課税) | 2%課税(営業車は1%課税) | |
60%未満 | 3%課税(営業車は2%課税) | 2%課税(営業車は2%課税) |
(※1)税額は「取得価額×税率」で求められます。
(※2)2020年度燃費基準達成以上 および 下記排出ガス基準達成が要件
★★★★:低排出ガス車 平成30年排出ガス基準50%低減レベル
★★★★★:低排出ガス車 平成30年排出ガス基準75%低減レベル
(※3) クリーンディーゼル車は、2024年1月1日以降は上表に従う。
但し、2022年4月1日から2023年3月末までに取得したクリーンディーゼル車で、
①2018年排出ガス規制又は2009年排出ガス規制に適合、
②2030年度燃費基準の達成率が60%以上、
③2020年度燃費基準を達成、の全てを満たす車両は環境性能割を非課税とする。
参考:国土交通省「環境性能割の概要 」、環境省「令和5年度 環境省税制改正要望結果の概要」
取得価額
取得価額は、課税標準基準額を元に1,000円未満切り捨てで計算します。
新車の場合は、「課税標準基準額+購入時の付加物価格(カーナビなどのオプション価格)」で計算されます。
中古車の場合は、新車とは異なり車の状態が価値に影響するため、「課税標準基準額×残価率」の式で計算されます。
課税標準基準額は、車種やグレードごとに定められており、目安としては車両本体価格の9割程度の金額となります。
残価率は、初度登録した年から経過年数で変動した売却時の価値のことで、年数によって違いが表れます。
中古車残価率表
経過年数 | 乗用自動車 | 軽自動車 |
1年(登録年) | 0.681 | 0.562 |
1.5年 登録年翌年の前半 (1/1~6/30) |
0.561 | 0.422 |
2年 登録年翌年の後半 (7/1~12/31) |
0.464 | 0.316 |
2.5年 | 0.382 | 0.237 |
3年 | 0.316 | 0.177 |
3.5年 | 0.261 | 0.133 |
4年 | 0.215 | 0.100 |
4.5年 | 0.177 | ― |
5年 | 0.146 | ― |
5.5年 | 0.121 | ― |
6年 | 0.100 | ― |
参考:総務省「自動車取得税における通常の取引価額について」
中古車の環境性能割の計算方法
取得価額と税率がわかれば、環境性能割の税額は下記のような計算式で求めることができます。
環境性能割の税額=取得価額(課税標準基準額×残価率)×税率
例えば、新車で250万円の乗用車であれば、0.9を掛けて課税標準基準額はおよそ225万円です。
初度登録から3年経過していれば、残価率は0.316のため、取得価額は71.1万円と計算できます。
さらに、基準を70%達成しているのであれば、環境性能割の税率は2%です。
取得価額71.1万円×0.02で、環境性能割の税額は「14,220円」と計算できます。
なお、取得価額が50万円を下回る場合は、環境性能割は課税されません。
環境性能割を意識するなら中古車はどう選ぶべき?

環境性能割があることを踏まえて、中古車はどのように選ぶべきでしょうか。
ここで、中古車の選び方について詳しくご紹介します。
エコカーから選ぶ
環境性能割で税額を抑えたい方は、基準を達成しているエコカーから選ぶと良いでしょう。
中でも、電気自動車やプラグインハイブリッド車、燃料電池車などは、環境性能割が非課税になるというメリットがあります。
ハイブリッド車やクリーンディーゼル車であれば適用基準を満たしていることも多く、中古車市場にも多く出回っているため、環境性能割で税額を抑えながらも幅広い車種から好みに合った1台を選びやすいでしょう。
また、エコカーは、場合によってはエコカー減税やグリーン化特例などの対象にもなります。
中古車なら新車より価格がお手頃でもあるため、ぜひ検討してみてください。
トヨタのエコカー対象車は、こちらからご覧いただけます。
エコカー減税については、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
エコカー減税は中古車にも適用される?気になる減税制度を詳しく
基準を達成しやすい高年式車から選ぶ
高年式車の中古車も狙い目といえるでしょう。
高年式車とは初度登録年月から日が浅い車種のことを指し、優れた環境性能を備えている車種が多いと言えるでしょう。
場合によっては基準を85%以上達成している車種もあり、環境性能割を非課税にできるかもしれません。
同じ車種でも低年式車は車両価格がお手頃に落ち着いていることも多いですが、環境性能割などの減税と購入後の燃料代などトータルコストを考慮すると、高年式車のほうがお得なケースもあるでしょう。
購入後のコストも抑えたいとお考えの方や、状態の良い車をお得に購入したいと考えている方は、高年式車も視野に入れて検討すると良いでしょう。
税負担を抑えやすい軽自動車から選ぶ
税の負担を抑えやすい、軽自動車から選ぶのもおすすめです。
軽自動車は、環境性能割の税率が0~2%で、適用基準が普通自動車(登録車)より厳しくありません。
また、排気量を基準に課される自動車税種別割や、車の重量を基準に課される自動車重量税なども、登録車より抑えられます。
乗車人数が少なく、狭い道や狭い駐車スペースを利用することが多い方は、軽自動車から選ぶメリットが多いでしょう。
トヨタモビリティ神奈川が扱う軽自動車の中古車情報は、こちらからご確認頂けます。
軽自動車の中古車情報
取得価額50万円未満の中古車から選ぶ
取得価額が50万円を下回る中古車を選ぶのも一つの方法です。
先述したように、取得価額が50万円未満の車は、環境性能割がかかりません。
特に中古車の場合は、残価率を掛けて取得価額を計算するため、低年式車であるほど非課税になる可能性が高まるでしょう。
あくまでも目安ですが、取得価額は、新車時の車両本体価格や年式などがわかっていればおおよその金額を計算できます。
最近では中古車であっても状態が良い車を求める人が多いことから、高年式の車種が多く流通しており、取得価額が50万円を下回る車両は見かける機会は少ないでしょう。
短い期間だけ乗りたい方など、なるべく予算を抑えて購入したいという方で、取得価額が50万円以下の車を見つけた際には、検討してみるのも一つの方法です。
まとめ

この記事では、中古車購入時に関わる環境性能割について詳しく解説しました。
環境性能割は、新車・中古車に関わらず課税される税制度です。
基本的な税率は登録車3%、軽自動車2%ですが、基準を達成した中古車を選んだり、取得価額が低い中古車を選んだりすることで、環境性能割の負担は軽減できます。
エコカーであれば、中古車でもエコカー減税やグリーン化特例などの対象とされることがあるため、この機会にぜひ検討してみてください。
トヨタモビリティ神奈川が扱う中古車の情報は、こちらからご確認頂けます。
中古車情報をチェックする
※在庫車の状況は日々変動します。予めご了承ください。
また、ご希望の中古車がお近くの店舗にない場合でも、店舗間の在庫移動による取り寄せが可能です。
店舗間の在庫移動による取り寄せをご希望の方は、お気軽にご相談ください。
近くの中古車取扱店舗を探す