世界農業遺産 静岡の “茶草場農法”
2019.05.21
こんにちは!
ブログ「神奈川 大好き!だって“生まれも育ちも働く場所も神奈川県」のウッチです!
最近は天候が悪い日も多くなり、梅雨が近づいているのかな~など、少し憂鬱な気分になっています。
とはいえ、この雨が降らないと作物も育ちません。
恵みの雨と思い、少しの期間は我慢して今年買ったレイングッズを楽しもうと思います。
ところで「世界農業遺産」をご存じでしょうか?
「世界農業遺産」は、食料の安定確保を目指す国際組織によって2002年に創設されました。
地域環境を活かした伝統的農法や生物多様性、農村文化、農村景観を守る土地利用などを次世代に継承していくことを目的としています。
「世界遺産」との違いは、保護する対象が、遺跡や歴史的建造物・自然という“不動産”であるのに対し、「世界農業遺産」は“農業のシステム”を認定し保全している、という点です。
世界では21ヶ国、57地域、日本では11地域が認定を受けています。

2013年5月、良いお茶を作ろうとする農家の営みと、生物多様性の確保を両立する農法が評価され、静岡県の“茶草場農法”が認定されました。

このような農法があるという事、この農法を守り続けている農家の方々がいらっしゃるという事、この農法が国際的に認められたという事を初めて知り、私は日本人としてとても誇らしくなりました。
重労働で手間暇がかかるにも関わらず、それでも伝統的な農法を守り続ける茶農家の方々の大変な努力と、美味しいお茶を作りたい、届けたいという思い、また、美味しいお茶を育てる環境や生き物たちを守り続けたいという気持ちを強く感じました。
今回はこの「茶草場農法」についてお伝えします。
茶草場(ちゃぐさば)とは、茶畑の近くにあるススキやササなどが生えた草地の事で、茶草場農法とは、その茶草場の草木を有機肥料として利用する農法です。

茶園にある茶草場

茶園周辺の茶草場

刈り干ししているススキやササ

干したススキやササを敷いた茶園
(掛川市役所ホームページから引用)
効果としては
・夏は保湿、冬は保温効果が期待できる
・雑草を生えにくくする
・草が分解され土に戻ることで、堆肥となる
など多くの利点をもたらし、良質な土壌を作り出します。
その土壌で育った茶は味や香りが格段に良くなるそうです。
茶草場は放っておくと、単なる雑草地になってしまいます。
通常、草刈りは、大きく成長する梅雨前に行いますが、茶草場では夏に成長した草花が種を落とす秋から冬にかけて草刈りをします。
この作業をすることで、春を迎えた時、まっさらに刈り取られた地表に光がしっかりと当たり、新たな植物が芽を出します。
このように人の手が加わった草地を「半自然草地」と言い、昔は日本中どこでも見られました。
しかし農業や人々の生活が近代化され、手間暇かけ草木を肥料として使う事が少なくなり多くの半自然草地とともに、そこを住みかとしていた貴重な動植物が姿を消しました。
そのような中でも静岡の茶農家の方々は、茶の品質向上や草地の環境を守るために茶草場を維持・管理してきたのです。
茶畑だけでなく、茶草場まで人の手で維持・管理する事は容易ではなく、大変なご苦労があることでしょう。
静岡県のお茶が特別に美味しい理由が少しでも分かった気がしました。
丸山製茶に伺った際、丸山社長がその場でブレンドをし、真空パックにしてくれた新茶を飲むのを楽しみにしていましたが、茶草場農法の事を調べるにつれ、その重みを感じ、なんだかもったいなくて、まだ飲むことができていません。

次回は摘まれた茶葉がどのようにして私たちが目にする商品になるのか、についてお届けします。
ブログ「神奈川 大好き!だって“生まれも育ちも働く場所も神奈川県」のウッチです!
最近は天候が悪い日も多くなり、梅雨が近づいているのかな~など、少し憂鬱な気分になっています。
とはいえ、この雨が降らないと作物も育ちません。
恵みの雨と思い、少しの期間は我慢して今年買ったレイングッズを楽しもうと思います。
ところで「世界農業遺産」をご存じでしょうか?
「世界農業遺産」は、食料の安定確保を目指す国際組織によって2002年に創設されました。
地域環境を活かした伝統的農法や生物多様性、農村文化、農村景観を守る土地利用などを次世代に継承していくことを目的としています。
「世界遺産」との違いは、保護する対象が、遺跡や歴史的建造物・自然という“不動産”であるのに対し、「世界農業遺産」は“農業のシステム”を認定し保全している、という点です。
世界では21ヶ国、57地域、日本では11地域が認定を受けています。

2013年5月、良いお茶を作ろうとする農家の営みと、生物多様性の確保を両立する農法が評価され、静岡県の“茶草場農法”が認定されました。

このような農法があるという事、この農法を守り続けている農家の方々がいらっしゃるという事、この農法が国際的に認められたという事を初めて知り、私は日本人としてとても誇らしくなりました。
重労働で手間暇がかかるにも関わらず、それでも伝統的な農法を守り続ける茶農家の方々の大変な努力と、美味しいお茶を作りたい、届けたいという思い、また、美味しいお茶を育てる環境や生き物たちを守り続けたいという気持ちを強く感じました。
今回はこの「茶草場農法」についてお伝えします。
茶草場(ちゃぐさば)とは、茶畑の近くにあるススキやササなどが生えた草地の事で、茶草場農法とは、その茶草場の草木を有機肥料として利用する農法です。

茶園にある茶草場

茶園周辺の茶草場

刈り干ししているススキやササ

干したススキやササを敷いた茶園
(掛川市役所ホームページから引用)
効果としては
・夏は保湿、冬は保温効果が期待できる
・雑草を生えにくくする
・草が分解され土に戻ることで、堆肥となる
など多くの利点をもたらし、良質な土壌を作り出します。
その土壌で育った茶は味や香りが格段に良くなるそうです。
茶草場は放っておくと、単なる雑草地になってしまいます。
通常、草刈りは、大きく成長する梅雨前に行いますが、茶草場では夏に成長した草花が種を落とす秋から冬にかけて草刈りをします。
この作業をすることで、春を迎えた時、まっさらに刈り取られた地表に光がしっかりと当たり、新たな植物が芽を出します。
このように人の手が加わった草地を「半自然草地」と言い、昔は日本中どこでも見られました。
しかし農業や人々の生活が近代化され、手間暇かけ草木を肥料として使う事が少なくなり多くの半自然草地とともに、そこを住みかとしていた貴重な動植物が姿を消しました。
そのような中でも静岡の茶農家の方々は、茶の品質向上や草地の環境を守るために茶草場を維持・管理してきたのです。
茶畑だけでなく、茶草場まで人の手で維持・管理する事は容易ではなく、大変なご苦労があることでしょう。
静岡県のお茶が特別に美味しい理由が少しでも分かった気がしました。
丸山製茶に伺った際、丸山社長がその場でブレンドをし、真空パックにしてくれた新茶を飲むのを楽しみにしていましたが、茶草場農法の事を調べるにつれ、その重みを感じ、なんだかもったいなくて、まだ飲むことができていません。

次回は摘まれた茶葉がどのようにして私たちが目にする商品になるのか、についてお届けします。