公開日2026.10.13
車に乗っているときに地震が起きたらどうする?運転中の正しい対処法を解説
地震はいつ、どこで発生するか分かりません。
自宅や職場にいるときだけでなく、車を運転している最中に大きな揺れに遭遇する可能性もあります。
運転中に地震が発生すると、道路の亀裂や沈下、信号機の停止、建物の崩落や落下物の飛散などによって、普段とは一変した状況になるかもしれません。
突然の揺れに慌てて急ブレーキを踏んだり、パニックになって急にハンドルを切ったりすると、二次災害を引き起こすおそれがあり大変危険です。
では、実際に車を運転しているときに地震が起きた場合、ドライバーはどのように行動すればよいのでしょうか。
今回は、運転中に地震が発生したときの基本的な初期対応から、車を置いて避難するときの注意点、日頃からできる備えまで詳しくご紹介します。
運転中に地震が起きたら、まずは慌てず減速する
運転中に地震が発生した場合、道路自体の揺れによってハンドルを取られるだけでなく、周囲を走る車も一斉に減速や停止を試みるため、追突事故などのリスクが一気に高まります。
また、同時に停電が発生した場合は信号機が正常に作動しなくなるほか、建物の破片・看板などの落下物など、道路上は予期せぬ危険で溢れた状態になります。
運転中に大きな揺れを感じたり、緊急地震速報を受信したりした際は、慌てて急ブレーキを踏むのではなく、周囲の状況を確認しながら、ハザードランプを点灯させて緩やかに速度を落とすことが原則です。
大きな揺れを感じたときほど、早く止まらなければと焦ってしまいがちですが、急ハンドルや急ブレーキは避け、安全を確保しながら段階的に速度を落とすことを意識しましょう。
揺れが収まるまで、道路の左側に安全に停止する
車を安全に減速させたら、周囲の状況を十分に確認しながら、できるだけ安全な方法で道路の左側に車を停止させます。
その際、緊急車両の通行や他車の避難を妨げないよう、ハザードランプを点灯させながらできる限り左端に寄せるのが基本です。
停車する場所は、二次災害を防ぐため危険な場所を避けて停めましょう。
具体的には、以下のような場所を避けて車を停めます。
避けたいポイント
- ・建物の近く:外壁タイル、看板、ガラスなどの落下リスク
- ・電柱やブロック塀の周辺:倒壊や電線の断線による危険
- ・高架橋の上やトンネル内:落橋や崩落の恐れ
安全な場所に停止させたら、揺れが完全に収まるまで車内で待機します。
地震直後の路上は飛来物や交通の乱れなど危険が多いため慌てて車外へ出るのではなく、まず自分や同乗者の安全を確保しましょう。
地震後はすぐに走り出さず、情報を確認する
地震の揺れが収まったからといって、すぐに運転を再開するのは避けましょう。
地震の直後は、一見平穏に見える道路であっても、路面の陥没やひび割れ、信号機の停電、倒木や建物からの落下物など、走行を阻む様々な障害が発生している可能性があります。
停止後はカーラジオやスマートフォンなどから最新の地震情報や交通情報を確認し、周囲の状況と合わせて、その後の行動を判断しましょう。
特に大規模な地震が発生した場合には、道路が通行止めになったり、交通規制が実施されたりするケースも少なくありません。
自宅に帰りたい、家族を迎えに行きたいと焦ってしまうかもしれませんが、道路の安全が確認できない状態で無理に移動することは避けてください。
地震発生後は車での避難が正解とは限らない
災害が発生した際、車移動のほうが安全だろうと考えがちですが、必ずしも車での避難が正解とは限りません。
大規模な地震が発生すると、大勢のドライバーが一斉に車で避難を開始するため、路上では深刻な渋滞が発生することもあります。
これにより避難自体が遅れて危険にさらされるだけでなく、救急車や消防車、自衛隊などの緊急車両の通行を阻害してしまうおそれがあります。
そのため、警察庁では、津波からの緊急避難などやむを得ない場合を除き、避難のために車を使用しないよう呼びかけています。
特に都市部や主要幹線道路では、地震直後から大規模な交通規制が実施される可能性が高くなります。
例えば、首都直下地震などでは、救助活動や消火活動の経路を優先確保するため、一般車両の流入規制や通行禁止措置が段階的に敷かれます。
災害時には、車を使うことが安全なのか、それとも徒歩で避難するべきなのかを、そのときの状況や自治体からの情報をもとに判断することが大切です。
車を置いて避難するときの注意点
災害の状況によっては、車を路上に置いて徒歩で避難しなければならないケースもあります。
その際は、できるだけ駐車場など道路外の安全な場所へ車を移動させておくことが基本です。
- ・道路の左端に寄せて停車し、エンジンを停止させる
- ・スマートキーやエンジンキーは挿したまま(または運転席などの分かりやすい場所に置く)
- ・窓をしっかり閉め、ドアはロック(施錠)しない
キーを残しドアをロックしない理由は、自衛隊や警察・消防などの緊急車両が通行する際や、道路の復旧作業を行う際に、必要に応じて道路上の車を即座に動かせるようにしておくためです。
なお、車から離れる場合は、避難する人の通行や、消防・救急などの災害応急対策の妨げになる場所には駐車しないよう注意しましょう。
また、車検証や貴重品は手元に持ち出し、ダッシュボード等に連絡先を記したメモを残しておくと、その後の所有者確認や連絡がスムーズになります。
愛車を残して離れるのは不安に感じるかもしれませんが、何よりも優先すべきは人命救助とご自身の安全確保です。
社会全体の安全な避難や復旧活動に協力する意識を持ち、冷静に対応しましょう。
高速道路で地震が起きた場合はどうする?
高速道路を走行中に大きな地震が発生した場合も、まずは急ブレーキや急ハンドルを避け、周囲の車両に注意しながら安全に減速することが重要です。
高速道路では一般道路以上に速度が出ているため、前照灯やハザードランプの点灯をせず突然停止すると後続車との衝突につながる危険があります。
減速する際はハザードランプを点滅させて後続車へ知らせつつ、徐々にスピードを落としましょう。
近くにサービスエリアやパーキングエリアがある場合は、そのまま低速で移動して安全な敷地内に駐車するのが理想的です。
一方、車両が自走不能になった場合や、やむを得ず本線車道や路肩に停止する際には、後続車からの追突事故を防ぐため、発炎筒や停止表示板、停止表示灯などを車両の後方に設置してください。
設置後は、追突事故などの二次被害を防ぐため、ドライバーや同乗者は車内に留まらず、ガードレールの外側など安全な場所へすみやかに避難します。
高速道路上では一般道路以上に重大事故に繋がる危険が高いため、揺れが収まった後は道路交通情報やハイウェイラジオ、道路管理者(NEXCO等)からの案内に従って慎重に行動することが大切です。
子どもや高齢者が同乗している場合は?
地震は、休日のお出かけや家族でのドライブ中に発生する可能性もあります。
小さなお子さまや高齢の方が同乗している場合は、運転者だけでなく同乗者の安全確保も重要です。
まずは車を安全な場所に停止させ、シートベルトを外すのは安全を確認してからにしましょう。
地震直後の路上にはガラス片や看板などの落下物が散乱していたり、周りの車や歩行者が混乱して予想外の動きをしたりする危険があります。
自己判断だけで車外へ出るのではなく、周囲の状況や避難情報を確認したうえで行動しましょう。
また、子どもや高齢者は環境の変化や突然のトラブルで体調を崩しやすい傾向があります。
万が一の渋滞や避難の長期化に備え、車内には日常的に飲み慣れた飲料水や使い慣れた非常食、保温用のブランケット、携帯トイレ、モバイルバッテリーなどを常備しておくと安心です。
車にも、もしもの備えを
地震をはじめとする災害への備えというと、自宅に避難用リュックや備蓄品を用意することをイメージしがちですが、日常的に車を利用する方は、車内にも防災グッズを用意しておくと安心です。
車載用として用意しておきたい代表的なアイテムには、以下のようなものがあります。
- ・非常用脱出ハンマー(冠水や車閉じ込め時の脱出用)
- ・ホイッスル
- ・飲料水や非常食(長期保存が可能な車載専用品)
- ・懐中電灯
- ・軍手
- ・携帯トイレ
- ・アルミブランケット
車内やトランクは、夏場は極端な高温になり、冬場は著しく冷え込むなど温度変化が激しい環境です。
車内へ備蓄品を置く際は、車内特有の保管環境に注意し、定期的に状態を確認することが大切です。
特に、スマートフォン用のモバイルバッテリーやポータブル電源などに使用されているリチウムイオン電池は、夏の車内などの高温環境に放置すると、膨張や発火、爆発を引き起こす危険性があります。
車内に放置することは避け、必要な時だけ持ち込むか、車を離れる際は必ず持ち出すように徹底しましょう。
また、車内の衛生管理に役立つウェットティッシュも、一般的なアルコール成分を含むものは車内の高温によって引火・発火のリスクが高まるため危険です。
車内に常備する場合は、車載に対応した安全性の高いノンアルコールタイプや車載専用品を選ぶのがおすすめです。
いざという時に慌てない!普段からの避難シミュレーションも大切
地震は前触れもなく突然発生するため、実際に起きてから考えるのではなく、日頃から車に乗っているときに地震が起きたらどう行動するかをシミュレーションし、家族共通のルールを決めておくことも大切です。
例えば、緊急時の連絡手段を決めておくことはもちろん、状況に応じて車を置いて徒歩で避難するか、その場で待機するかの判断基準を共有しておくと、緊急時にも落ち着いて行動しやすくなります。
また、普段から通勤・通学や買い物、レジャーなどでよく走る道路については、自治体が発行しているハザードマップを事前に確認しておくのがおすすめです。
冠水しやすいアンダーパスや地盤が緩く崩落リスクがある斜面、倒壊の危険がある古い建物が並ぶエリアなどを把握しておけば、走行中の危険回避に役立ちます。
車があるから大丈夫と考えるのではなく、車を使わない避難も含めて事前に考えておきましょう。
あわせて、ハイブリッド車などに搭載されている「非常時給電システム」が付いている車に乗っている方は、取扱説明書などで使い方を確認しておくことをおすすめします。
車に乗る人こそ、地震への備えを
今回は、車を運転中に大きな地震が発生した際の正しい初期対応から、車を置いて避難する際のルール、日頃から取り組める車内の防災対策まで詳しく解説しました。
地震発生時には、地域の避難情報や交通規制などを確認し、人命を最優先に行動することが大切です。
災害はいつ、どんなシチュエーションで起こるか分かりません。
普段から車に乗る機会が多い方こそ、日頃の安全運転はもちろんのこと、非常用グッズの確認や給電機能のチェックなど「車の防災対策」を今一度見直してみてはいかがでしょうか。
また、万が一の停電時に「移動できる電源」として自宅や避難生活を支えてくれる非常用給電システム付きのハイブリッド車やプラグインハイブリッド車(PHEV)への乗り換えも、これからの時代における非常に心強い防災対策の一つです。
給電機能の詳しい使い方や、給電に対応したおすすめ車種について気になる方は、ぜひトヨタモビリティ神奈川までお気軽にご相談ください。
オンライン相談はこちらから参考サイト
警察庁「大地震が発生したときに運転者がとるべき措置」
警察庁「大震災発生時の交通規制」


